エメラルド・タブレット
ヘルメス・トリスメギストスが記したとされる。自然界における変化の原理の集約。エメラルドの板に刻まれた。
ヘルメス・トリスメギストス
「三重に偉大なるもの」という意味。ヘルメスはしばし古代エジプトのトート神と同一視される。
マイクロコスモス
大宇宙。自然哲学者デモクリトスが生み出した概念。
ミクロコスモス
小宇宙(人間)。世界に太陽と月があるように、人間にもそれを表す右目(太陽)と左目(月)があると、人間を小さな「宇宙(世界)」とした。
テトラクテュス
ギリシア語で「四個の組」、「第四」の意味。ピタゴラスの考えた世界の構造。「1+2+3+4=10」(単一性から数字4へと進行し、万物の生みの親である10が生じる)
エリキサ
錬金薬。ティンクトゥラとも呼ばれ、ときに賢者の石とも呼ばれた。卑金属を金に変えるものは赤色、銀に買えるものは白色をしているとも言われる。
賢者の石
哲学者の石、卑金属(銅、鉄、水銀、スズ、鉛)を金に変成するほか、不老長寿の力を持つとされている。
生命の水
液状の賢者の石。
第一質料
全ての元となっているもの。(プリマ・マテリア)
四元素
火、気、水、土。第一質料が乾・湿・温・冷の形相を得た、世界を構成する基本的な物質。
火蜥蜴(サラマンドラ)
火の象徴
鷲
空気の象徴
ライオン
土の象徴
アルテミス
水の象徴
カドウケウス
ヘルメスの杖。一であり全である物質の象徴。
湿った道(湿潤法)
フラスコに材料を入れ、密閉して反射炉で加熱する方法。
乾いた道(乾式法)
坩堝を用いる方法。
中国錬金術
不老長寿が第一目的であり、精霊(もしくは二流の神)の助力を必要とした。この当時の中国は商業を軽視しており、財をふやす目的での金の練成の記述はほとんどない。
スウエン
中国で最初に錬金術を行ったとされる名士。極寒の地で、一組の暖かい管で音楽を奏でて、キビを実らすことに成功した等の逸話を持つ。
炉の女神
赤い着物を着て髪を頭の上で結んだ美しい老女で、料理や薬の調合を司る神。武帝が迎えたある錬金術師は、彼女に祈る事によって不老長寿の秘密を発見したと称した。
方術士(方士)
西洋で言うところの魔術師。
五元素
陰陽五行の考え方を元とした、木、火、土、金属、水の五つの元素。
ケロタキス
絵画に使用されたパレット。女性錬金術師ユダヤ人マリアがこれを利用した還流装置をつくり、これそのものが後にケロタキスと呼ばれるようになった。
哲学者の卵
フラスコ。特に水晶で作られたものが好まれた。
ヤハウェ
ヘブライ語で「神」の意。
ヤハウェの四音字「JHVH」
発音することの出来ない神の名前を表す四文字。ユダヤ教ではこの四文字の組み合わせ、または再編成によって万物が生み出されたとされる。
ハリード・ブン・ヤズィード
ウマイヤ朝の王子。イスラム教徒で最初に錬金術に興味をもった人物とされる。『護符の書』『大小の覚え書きの書』『技芸に関する(息子への)遺言書』『知識の天国』などの著者
ジャービル・ブン・ハイヤーン
(ハイヤーンの息子ジャビールの意)イスラムの錬金術において、高い功績を残した人物。錬金術のほかにも、哲学、論理学、医学、自動装置、魔方陣、鏡など、多くの書物を書いた。
『哲学者達の討論会』
アナクシマンドロス、アナクシネメス、アナクサゴラス、エムペドクレス、アルケラオス、エクファントス、ピュタゴラス他、哲学者の討論と言う形式でかかれた書。9世紀頃アラビアで書かれたという説が有力であるが、はっきりとはしていない。
タバルマク
ある男が金のやすりくず、木炭、医薬品、にかわ、小麦粉などが原料に丸薬を作りこれを薬種商に売りつけた。次にその男は錬金術師を名乗り、薬品とこの丸薬(タバルマク)を用意させ、坩堝で熱して王の前で金の変成をしてみせた。つまりサギ。彼はタバルマクを探しに行くと王に様々なものを用意させ、そのまま消息を絶った。
アルベルトゥス・マグヌス
ラテン学、自然学に秀で、「万有博士」と一般に知られる。『鉱物の書』『錬金術小書』の著者
ロジャー・ベーコン
錬金術を、「思弁的」(事物を生成する諸元素の考察)と「実際的」(人工的に事物をつくる方法)とに分けた。
ヴィルヌヴのアルノー
錬金術師であると同時に医師、天文学者、外交官、社会改革者、論客。人血を蒸留器で乾留して得られる3つ目の留物「赤色のオイル」(火元素)は医学的効能をもつとした。著作物『宝典中の宝典、哲学者達のロザリオ、秘密中の最大の秘密』他
ペトルス・ボヌス
『新しい高価な真珠』の著者。
大いなる作業
解読を含め、錬金術の作業過程をそう呼ぶ。
レビス
相反する性質を持つものが、それを失う事無く統一された状態(両性具有など)
パラケルスス
本名テオフラストゥス・ボムバストゥス・フォン・ホーエンハイム。パラケルススというのは自称であり、ケルスス(ローマの有名な医学著述家)より偉大であるという自己評価からきたもの。彼は錬金術で医薬をつくる事を目的としていて、金の生成にはあまり興味は示さなかった。
アルカヘスト
全てのものを溶かすとされた溶媒(想像上の物質)パラケルススの造語
三原質
塩(肉体)、硫黄(霊魂)、水銀(精神)これは性質を抽象化したものであり、実際の元素に当てはめたものではない。
アルカナ
霊薬
トマス・ノートン
『錬金術規則書』の著者
トマス・ノーチャック
長年の研究の末、賢者の石の生成に成功したとされる。しかし彼はその難しさと金銭的な負担の重さゆえ、『哲学の書』のなかで、金の練成はもう誰もすべきではないと書いた。
ジョン・ディー
星占い師であり、数学者でもあった。常に蒸留器を持ち歩いていたという。エドワード・ケリに詐欺の片棒を担がされた人物。
エドワード・ケリ
通称タルボット。水晶占いでジョン・ディーを騙し、金銭を巻き上げた上詐欺の片棒を担がせた。彼らは6年ほど共にいた。
マイケル・スコット
シチリア国の宮廷占星官の一人。魔術師として有名。彼はユダヤ人やイスラム人の仲間と錬金術の実験も行っていた。ダンテの神曲にも登場する人物。『錬金剤』『小錬金剤』の著者。
アレクサンダー・シートン
コスモポリタンの通称で知られる。オランダ、イタリア、ドイツなど各国を渡り歩いて金属変成を行い、錬金術の偉業を広めた。ザクセンの選帝侯クリスチャン2世に変成に使用する粉末の秘密を明かす事を拒否し、投獄される。脱獄した後すぐ死亡するが、その粉末の作り方は生涯誰にも明かさなかった。
ミカエル・センディヴォギウス
シートンの脱獄を手伝った人物。見返りとしてシートンが持っていた金属変成に使う粉末全てを譲り受けた。それを使い彼は富と栄誉を手に入れた。また、彼はシートンの死後コスモポリタンの名を盗用した為、研究者の間でしばし混乱が起きた。
ニコラ・フラメル
公証人。ユダヤ人アブラハムの手稿を偶然手に入れ(その以前に彼の夢に天使がその錬金術書を持って現れたという)24年の研究の末、金属変成に成功したといわれる。
薔薇十字団
キリスト教、ヘルメス思想、カバラ、錬金術などの統合によって世界を友愛に満ちたものにしようとする秘密結社
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